金型構造の考察〜スイッチ

金型構造考察

こんにちは、MIBです!

ガンプラオプションパーツセット フィンファンネルが発売されました。

発売日に入手できたので、ランナー状態の確認から金型構造の考察を行いました。

今回は最近のキットでよく設けられるスイッチについて、その構造と効果について考察しました。

※仕事柄射出成型部品の金型について考えることが多いためその延長上での自分の考えを述べた記事です。バンダイさんの公式見解でもなければ、間違った話をしている可能性も十分あるとのご理解をよろしくお願いします。

キットの紹介

最初にキットの紹介を行います。

ランナーは6枚で、的確な分割で設定色をほとんど再現しています。

スイッチ

スイッチとはランナー途中に設けられるこのような部分です。

このスイッチで金型上の樹脂流路を変えて、整形できる部品形状を制御しています。

スイッチ付き金型全体像の確認

スイッチの構造は以下の方法で簡単に確認できます。

  1. 同じアルファベットのランナーを探す
  2. 同じ形状をした部分を重ねる

このようにすると金型に掘られている形状すべてが確認できます。

今回題材にしているオプションパーツセットは3組の組み合わせがあり、ランナーは6枚ですが金型は3個あるということがわかりました。

スイッチの構造

それでは金型上でスイッチがどのような構造になっているか考察してみます。

ランナー形状が切り替わる部分を見てみると円形のパーティングラインと凸形状があるのがわかります。

この部分がスイッチです。

パーティングライン部分で金型が回転し、ランナーの流路を変更しています。

また凸形状は回転させるための金型の凹みです。

具体的にOAランナーを例に見てみましょう。

(左)  金型の赤枠部分に注目します。

(右上) 金型はこのようになっています。

(右下) スイッチは円形に彫られた金型です。

(左上) OA1ランナー成型時の金型ではスイッチはこのように調整されます

(左下) OA1ランナー現物写真

(右上) OA2ランナー成型時の金型ではスイッチはこのように調整されます

(右下) OA2ランナー現物写真

赤矢印は樹脂の流れです。

樹脂はランナー中央の円形部分が起点となって流れる(詳しくはこちら)のでこの矢印の向きで流れていきます。

スイッチで切り替える先にランナータグを配置することで、特に識別しなくても自動的にランナー番号が成形される工夫がされているのがわかりますね。

製品にはないランナーの可能性

スイッチは回転して調整するので、やろうと思えば製品にないランナーも整形することができます。

(左) OA1、OA2ランナー両方を成形できる配置

(右) スイッチ部で樹脂をせき止める配置

スイッチ部で樹脂をせき止める配置の場合、スイッチ金型の可動用の隙間に成形圧で樹脂が入り込んで大きなバリになり、金型破損のリスクが高くなると思います。

実際には工場でスイッチの設定を間違えたとしても成形始めの検査で生産形状と違うことが容易にわかり、即スイッチを正しい設定に戻すことができるため、このような状態が流出することはないと思います。

スイッチの効果

スイッチは成形機に金型を取り付けた状態で調整できます。

そのためスイッチ付き金型の効果は以下のようなものがあります。

①金型費用の節約

②成形時の金型上げ下ろし時間の節約

③成形時の樹脂変更時間の節約

①は非常にわかりやすいです。

必要な部品全部で金型を作った場合に比べて約半分にできるのでその分金型費を節約できます。

勝手な見積もりですがサイズ的に金型1型400万くらいだと思うので、その分削減できている形です。

②③は地味ですが、生産上実作業でかかる時間の節約になります。

部品を成形しようとたとき

1前生産製品の金型冷却 30分

2前生産製品の金型を成形機から下ろす 1時間

3生産製品の金型を成形機に乗せる 2時間

4金型温度を上げる 30分

5樹脂を入れ替える 30分

と、段取り変更に合計4時間半〜5時間程度かかります。

実際は一日単位で生産を切り替えたり冷却時間を非稼働時間に合わせられれば多少縮まりますが、いつもうまく段取りができるわけではないです。

これは金額にしてみればそこまで大きくないですが、何より生産数に効いてきます。

5時間あれば1回の成形を30秒で行ったとして600個分の生産に該当します。

スイッチがついていれば金型をつけたまま流路が変えられるので、この時間をすべて生産に当てることができます。

実際は高温の金型に近づいて人力でスイッチを操作すると危険なため、金型温度は下げてから作業するか人力ではなく機械で操作するなど措置は取られていると思います。

また今回のキットのACランナーのように、成形色が異なる場合は樹脂換えの時間はかかりますが、金型まで変えることと比較すると切り替え時間は殆どかかっていないといえる割合だと思います。

さいごに

今回は金型のスイッチについてご紹介しました。

模型製作をしている中で金型をイメージする機会はなかなかないかもしれませんが、最近のガンプラは金型構造に凝ったものが多いためランナーを見ていつもと違う部分を探すのも楽しいと思います。

みなさんもぜひ一度ランナーを見て金型に思いを馳せてみてください。

ではっ!!

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