こんにちは、MIBです!
個人的な感覚ですが、模型を作っていて最も楽しい時間の一つに、デカール貼付の工程があると思います。
失敗してもデカールがだめになる程度で本体に致命的な影響がないことがほとんどで、貼り付けるだけで解像度がぐっと上がる感じがするためです。
細かなコーションデカールなどは様々なサイズ・デザインのものが市販されていて、それらを購入することでハードルも低いと思います。
ですが固有のマーキングを再現したいときなど、デカールが自作できれば自由度が各段にアップするシチュエーションもあります。
今回はそう言った場面に活用できる、ホワイトデカールの自作方法についてまとめてみます。
自作するデカールと購入するデカールの棲み分け
自作デカールはどうしても精度が落ちてしまいます。
そのため前述の通り、コーション類は市販のものを購入して貼り付けたほうが絶対的にお手軽です。
自作すべきは市販されていないマーキング、自作デザインのマーキングなどワンポイントとして使えるものと割り切るのが重要だと思います。
コーション類は最近はRBコーションデカールがお気に入りです。
サイズも選べて色も透けにくく、貼り付けもしやすいです。
もしコーションデカールとして何を買おうか迷われている場合は参考にしてみてください。
白デカールの自作方法
準備するものとして以下があります。
- 印刷図案(レーザー印刷したもの、コンビニ印刷可)
- クリアデカールTH
- スタンピングリーフ(白)
- アイロン
- -厚手の本(アイロン台の代わりとして使えるもの)
クリアデカールとスタンピングリーフは必須ですが、その他は家にあるもので問題ないので比較的手軽に始められます。
デカール作成の原理
作業の流れは以下の通りです。
詳細はあとで個別に解説します。
- デカールの図案作成(白部を白、透明部を黒で図案化しレーザー印刷しておく)
- レーザー印刷した図案にスタンピングリーフを熱圧着する
- スタンピングリーフを図案からはがす
- はがしたスタンピングリーフをクリアデカールに熱圧着する
- スタンピングリーフをクリアデカールからはがす
原理としては以下の通りです。
スタンピングリーフは通常の使い方としてレーザー印刷された文字等に色付けする目的のものであるため、トナーに吸着されます。
その性質を利用して、工程2にて図案にスタンピングリーフを熱圧着した際、デカールを透明にしたい部分のスタンピングリーフが図案側に吸着され、スタンピングリーフ側にはデカールのデザインのみが残る形になります。
工程4でその残ったデカールのデザインをクリアデカールに熱圧着することで、デカールのデザインがクリアデカールに移行してデカールが完成する、という原理です。


デカールの図案作成
印刷図案はパワーポイントを使って作成しました。
デカールのデザインというとAdobe Illustratorやそれに似たフリーソフトがないとできないのでは?という思いがありましたが、パワーポイントで全然対応できます。
A4サイズ等倍で印刷できるページ設定をしたうえで、貼り付け箇所のサイズの目星をつけてそのうえで絵を描いていきます。
このあたりはパワーポイントを使って図面作成する際と同等のノウハウで作成可能です。
詳細は以下の記事をご確認ください。
PowerPointを使った原寸大印刷の方法【デジタルモデリング】

図案ができたらレーザー印刷します。
私はコンビニで印刷しました。
A4サイズで特に設定はいじらず印刷しています。

レーザー印刷した図案にスタンピングリーフを熱圧着する
印刷した図案から欲しい部分を切り出して、それに覆いかぶさる程度の面積でスタンピングブリーフも切り出します。
今回はお手軽に家にあるアイロンで熱圧着しようとしているため、均等に熱が加えられるように極力小さい範囲で作成するようにします。

市販のデカールのようにはがきサイズでデカールを作ろうとしてしまうと、大面積を均等に熱圧着できないため大半が失敗するのでご注意ください。
熱圧着はアイロンフィートプレスと同じ要領で重ねて行います。
圧着する際はアイロンの温度設定は中にして、アイロンを動かさずに10~15秒加熱しました。
アイロンを動かしてしまうと各部がズレてしまって気泡をかんだ状態で仕上がることが多かったです。
アイロンで加熱する詳細は以下をご確認ください。
お手軽にプラ板熱加工【アイロンヒートプレス】【デスフィズ製作】
スタンピングリーフを図案からはがす
圧着後はかなり反りが発生するので、本で挟んで粗熱を取ります。

熱が取れたらスタンピングリーフをゆっくり剥がします。
特に注意することもなく、きれいにはがれると思います。
白に囲まれた部分など微妙に黒印刷が貼りついて残ることがありますが、今回は機体色が黒で目立たないためそのままにしました。
この部分もうまく剥がせる方法についてはいずれ検証したいと思います。

はがしたスタンピングリーフをクリアデカールに熱圧着する
次はクリアデカールも適した大きさに切り出して、図の順に重ねて圧着します。
今回もアイロンは動かさず、温度設定「中」で10~15秒ほど加熱しました。
スタンピングリーフをクリアデカールからはがす
さいごにスタンピングリーフをクリアデカールからはがします。
2回の工程でスタンピングリーフの箔はすべて転移しているので、基本的には透明なフィルムになっています。

できたデカールの貼り付け
完成したデカールは切り出したうえで通常のデカールと同様に貼り付けが可能です。
よく見ると粗い部分もありますが、ぱっと見の印象は悪くないのでやってみて損はない工程だと思いました。
ツヤ感は周囲と差異が出てしまうので、トップコートは必須になります。

今回このフィルムをはがし忘れてデカール貼り付けの工程に進んでしまいましたが、デカール貼り付け途中に気づいて箔をはがそうとしたところデカール用紙から箔がはげれてしまい、うまく貼れませんでした。
今回は完成を優先して再度デカールを作成して貼り付けましたが、箔だけはがれるならクリアデカール自体不要で、デカールのり等で直接模型に貼り付けられるのでは?という思いが出てきています。
うまくいけばクリアデカール不要=部材費用不要&クリア層がなく見た目もキレイ とできると思うのでこちらもいずれ検証してみたいと思います。
さいごに
今回はワンポイントとして使えるデカールの作成方法についての紹介でした。
必要機材はそこまで特殊なものではないため、部材さえ購入すれば比較的トライしやすいと思います。
完成した模型に自分だけのマーキングが施されているのはとても満足感が高いので、皆さんもぜひトライしてみてください。
ではっ!!
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