こんにちは、MIBです!
前回PowerPointを使って部品形状を作図する方法について紹介しましたが、今回は具体的にプラ板切り出しのための部品形状の割り出しとその印刷用図面の作成方法をご紹介します。
PowerPointの設定と使う機能
実際にA4用紙で印刷して使用するため、用紙設定はA4サイズにする必要があります。
単に用紙選択時にA4を選ぶとサイズが異なるので注意が必要です。
また作図においては「図形の統合」の機能を多用します。
用紙設定の詳細はこちら、図形の統合の詳細はこちらをご確認ください。
プラ板切り出しのための図面とは
前回は部品形状を作図し、キット形状と画像上で合わせてみて仕上りの確認を行うのがメインでした。
そのまま印刷してプラ板を切り出していこうと思ったのですが、いくつかプラ板を積層して組み立てる関係上、切り出す枚数分の絵は欲しいと感じました。
またフルクロス部分は可動軸も仕込みたいので可動軸の割り出しも行い、それも図面に反映することにしました。
可動軸の割り出し
今回のフルクロスは原作形状を再現しようとしています。
原作形状をよく見てみると、胸部装甲から垂れ下がる部分と肩に装着される部分が絶妙にかみ合いそうな形状をしているため、00のデュナメスのように全装甲を閉じたら面一になるようにしたいと考えています。
ただ設定画では肩に装着される部分が開いていて、そこから腕が露出して武装を保持するようになっています。
そのため、その状態でも飾れるように可動軸を入れたいと考えました。
変形する機体の可動軸の割り出しは変形前後の制約を考える必要があるので非常に苦労しますが、今回は閉じた状態をベースに可動軸を設定して、その結果開くことができればいいので設定は比較的楽です。

可動軸の設定
まずはじめに部品形状を見ながら強度的に問題なさそうな位置に可動軸を設定します。
可動軸はΦ3の軸を通すことを想定して、Φ5の円で書くことにしました。
また円の中心がわかるようにしています。
次に可動軸を持つ部品をコピーして、ほしい角度になるように回転させます。
Powerpointの回転は図の重心が中心になるように回転するようで思う角度にするのは少し慣れがいります。
さいごに可動軸を元の絵と合わせれば、ほしい角度に開いた状態の絵が完成です。
可動軸を合わせる際、可動軸の円同士でスナップさせることができないので、地道に動かしながら目視で合わせています。

固定用の磁石の絵
軸可動だけで動かすことはできますが、自作関節はへたりやすいので今回はよく固定する位置で固定できるように磁石を仕込みたいと思います。
最初に閉じた状態で、固定している肩アーマーと動かす前アーマー両方に磁石が仕込める位置を見つけて磁石のサイズの円を配置します。
今回はΦ2×h1の磁石を配置する予定なので円はΦ2で書いています。
次に動かす前アーマーをコピーしてほしい角度だけ回転させます。
さらに可動軸の中心を合わせるように可動後のものを重ねます。
ここまで可動軸の設定と同じ方法です。
この時前アーマーを動かした分、動かない肩アーマーの磁石位置がズレるので、前アーマーにもこの位置に磁石を仕込めば可動前後とも磁石で固定できることになります。
最後に前アーマーを回転前に戻して、磁石位置を確認します。
今回は回転時に多少磁石が見える範囲にありますが、ディテールとして活かすか一枚プラ板かまして目隠しすることにしてこのまま進めようと思います。

決定した設定と開閉前後の状態
同様に前アーマーの小片部分も課像軸、磁石の設定を行い、下図のように配置を決定しました。
前アーマーは磁石を埋める位置に相手方の部品がないので、可動用のフレームを準備することにしました。
設定した可動軸、磁石位置での可動前後の状態も確認し、いい感じに設定できたと思います。

プラ板積層用の絵
部品形状、可動軸・磁石位置の設定ができたので、プラ板をカットするのに適した形状に分解していきます。
今回はベースを1.5mmプラ板で作り、前面を0.5mm,背面を0.3mmプラ板でデコるような形で積層して作りたいと思います。
それぞれの厚みごとに部品形状をコピーし、どういう形でカットするかを考えて不要な線を消していきます。
入れ込むディテールなどは参考にできるので、実際にディテールを盛り込む面のプラ板には形状を入れておくようにします。

カット用に配置
これまでの工程でカットするプラ板の形状が明確になったので、必要な数をコピーしてA4サイズの範囲に配置していきます。
左右分はPowerPoint上で反転すれば揃えられるので、片側分をA4サイズの半分の範囲に並べると効率がいいです。
プラ板カットする際は紙に印刷した図を両面テープで貼り付けてカットする予定ですが、その際のためのポイントがあります。
厚手のプラ板は直線カットするのが楽なので、部品形状を切り取る際に直線でカットできるような配置にしておくと、一度に紙を貼り付けて作業出来て楽です。

さいごに
今回は部品の形状から実際にプラ板を切り出すのに適した状態まで絵を加工する方法について紹介しました。
可動軸の設定や磁石の設定はPowerPointでなくても同様の考えができると思います。
今回のように切り出すプラ板ごとの形状まで煮詰めることができれば、あとはキットをランナーから切り出して組み立てるのと同じような感覚でほぼ作業するだけで形になっていくと思いますので、皆さんもぜひやってみてください。
ではっ!!
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