ガンプラ 原価構成の考察

金型構造考察

こんにちは、MIBです!

本日は最近発売されたオプションパーツセット ガンプラ02(ランチャーストライカー&ソードストライカー)を題材に、ガンプラの原価構造について考察してみたいと思います。

どこまで需要があるかわからない内容ですが、個人的経験を踏まえて考えてみたいと思っていた内容なので考えていて楽しかったです。

ガンプラ購入時に、このうちいくらくらいバンダイさんの利益に貢献しているんだと感じられるようになると思いますので、よろしければ最後まで見てみてください。

※仕事柄射出成型部品の金型・製品コスト構造について考えることが多いためその延長上での自分の考えを述べた記事です。バンダイさんの公式見解でもなければ、間違った話をしている可能性も十分あるとのご理解をよろしくお願いします。

考察対象のキット

前述の通り、考察対象としてオプションパーツセット ガンプラ02(ランチャーストライカー&ソードストライカー)を用いて考えます。これはランナー数が少なくてシンプルに考えられると感じたからですが、ランナー数の多いキットでも同様の考え方で考察できると思います。

パーツ構成

通常のパーツ構成紹介はランナー状態の紹介が多いかと思いますが、今回は原価構造を考えるので購入した状態のすべてを確認します。

製品内部の部品は写真のようになり、これに上箱、下箱を合わせたものが購入した状態すべての部品になります。

構成部品を図に表すと以下のようになります。

原価構造一覧表

部品を見ながら原価構造を表にまとめると以下のようになりました。

それなりに数字を埋めていますがほとんどが軽く調べた内容やこれまでの経験、まただいたいこれくらいだろうという予想です。

正確なのは定価と製品重量(ランナー状態を実測した)だけです。

まとめた結果としては定価1100円(税抜き)に対して利益が144円となり、ユーザーが払った金額の約13%がバンダイさんの利益になっているのだろうという予測になりました。

左側の経費の下にある内訳部は、右側詳細記載部の同じ色のセルの総和になっています。

内容について1つずつ説明します。

定価・各種設定・経費内訳

表の左側について説明します。

定価

小売り価格です。

掛け率

卸業者におろす金額の割合です。

70%と設定したため下にある卸値は定価1100円の70%で770円と計算しています。

掛け率を70%に設定したのは、以前ガンプラが普通に店頭で買えた時代に多くの家電量販店で2.5割程度値引きされていることが多かったため、その程度値引き可能な範囲という意味で設定しました。

管理費率・管理費

製造上発生する経費のうち、製品1コあたりに換算できない費用を卸値の定率で計上しました。

成形された部品の整理や倉庫での管理、アフターサービスにかかる費用などをイメージしています。

労務費率・労務費

製造以外で発生する人件費を卸値の定率で計上しました。

設計部門や管理部門の人件費のイメージです。

材料費

製品に含まれるすべての材料の費用です

作業費

製品製造にかかる機械作業の使用料金。成型機や梱包機をイメージしています。

人件費

製造上発生する人件費です

減価償却費

金型や印刷版など1つ作ってすべての製品で使いまわす物の費用を製造計画数で割って製品1コ当たりの負担金額を算出しました。

製造計画数は金型の減価償却期間2年で製造販売する数量を想定しています。

今回の対象キットは初回配備数も多かったので10万台はけっこういい線じゃないかと考えています。

ちなみに部品リードタイムが長いと考えられる4色成形のランナー1つを成形するのに60秒かかるとすると1日10時間稼働で600個生産できることになるので、10万個を生産するのは170日≒5ヶ月半程度生産することになります。

2年間生産するならそれくらいやりそうな気もするしちょっと長い気もするし、、、妥当なところか判断が難しい内容です。

製造費用の説明

表の中央について説明します。

成形材料

材料キロ単価はPSのものをネットで調べると標準的なもので280~300円程度とのことでした。

ただ専用に調色していると思うので高めの300円で入れています。

製品重量

そのまま製品の重量を測定しました。

スプルー重量

スプルーは製品にはついてこないものの成形時に使う樹脂になるので、想定して入れています

これも含めて各ランナーの材料費を計算しました。

成形作業

1製品を成形するのにかかる時間を設定して、不良品が少し発生することを見越して良品1個が成形される時間(良品成形サイクル)を求めています。

あとは成形機ごとに賃率が決まると思うので、4色成形機は高めに、通常の成型機はそれなりに設定しました。

この設定はかなりあてずっぽうです。

また良品成形率が決まるとそこに従事した人にかかる人件費も計算できました。

その他材料

射出成型品以外はバンダイ社外から購入するだろうと思いそれぞれの購入単価を想定して入れました。

ネット上で個人で依頼できるようなサイトの料金からざっくりいくらくらいか見積っています。

なので企業同士のやり取りではもう少し安くなっている気はしています。

梱包作業

製品の梱包状態は1つのビニール袋にランナー3枚、リード線が封入されて、取説とともに箱に入れられる形でした。

自分でその作業するとどれくらいかかるかイメージしたうえで、その倍程度の時間を見込んでいます。

またビニール袋に一式を入れたあと圧着機で封をする必要があるので、その賃率もざっくり入れています。

減価償却の説明

表の右側について説明します。

ここには必要な射出成型金型、印刷版、治具を想定して、それぞれの金額を入れています。

これはある程度自分の経験で金額を入れていて、特に参考にしたものはありません。

最後に

確定している金額は少ないものの、結果としていい感じに収まったんじゃないかと思っています。

今回定価に対して13%程度が利益というのが見えたので、ランナー数によって多少変動はするものの、同様の計算をして利益率が10%を超える程度にはなるように定価を設定しているのではないかと感じました。

製造工程やかかる金型などもどうなっているんだろうと思いを巡らせることができたのでとても楽しく考察できたと思います。

今回の内容は皆さんにぜひやってみてとおすすめできる内容ではないですが、原価構造を考えながら購入するとバンダイさんがより身近に感じられていいかと思いました。

ではっ!!

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