可動域拡大するなら可動軸は端に寄せると効果的【デスフィズ製作】

デスフィズ製作

こんにちは、MIBです!

スクラッチで可動部を自作する際、最新のキットを参考に同じような位置に可動軸を設定すると効率よくよく動く関節を作ることができます。ただこだわりたい可動がある場合やデザインが特殊でキットの構造が応用できない場合など、自分で可動軸を設定した方がよく動くものになることもあります。

今回は自分で可動軸を設定する際に有効な考え方を実例と合わせて紹介したいと思います。

 



可動軸は端に寄せる

結論から言うと可動軸は曲げたい側に寄せるとよいです。

可動軸を端に寄せるメリットとデメリットとしては以下の通りです。

メリット

  • 曲げるための形状制約(切り欠きなど)が小さくてよい
  • 曲げた際に大きな隙間が空くが、スペースも多いため隙間を別パーツで埋めることが比較的容易

デメリット

  • 反対方向には曲がらない
  • 関節ギミックを組み込むのが少し難しい

キット改造などある程度制約がある場合は難しい場合もありますが、スクラッチする場合など自分で軸位置を設定できるなら意識しておいて損はないと考えています。

関節軸を端に寄せる例を図解してみます。

白い四角単純なロボットの腕、グレーの円を関節軸だと考えてください。

関節軸が部品の中央にあると、大きな切り欠きがないと曲がりません。ちょうど300円ガンダム(最初のガンプラ)の肘関節が関節軸位置、装甲形状含めてこのような形になっていたと思います。

HGUCなどは関節軸位置は中央にありますが、その代わり大きな切り欠きを設けて、関節カバーで目隠ししている形になります。

一方で端に寄せた場合は切り欠きが小さくても十分曲がります。

曲げた反対側に大きな隙間が発生しますが、逆に大きく隙間が空くからこそこの部分に別部品を仕込んでおいて目立たなくすることもやりやすくなります。

デスフィズ首部の製作

実例としてデスフィズ製作時に設定した可動軸について紹介します。

首部は頭部を上下両方ともに動かしたいと考え、最近のキットでよくあるダブルボールジョイントタイプを採用予定でした。

頭部のボール受けは後部に寄せて設定できたのでこのままで上を向く動作は問題なさそうな状態でした。

関節軸を片側に寄せた際は「反対側には曲がらない」というデメリットがあるので、頭部に接続したボールジョイントで上を向く動作ができるという状態は、このボールジョイントで下を向く動作はできないということなので、胴体との接続軸で下を向く動作を行うことになります。

ただ絵のようなダブルボールジョイント構造だと胴体側を端に寄せることができず、首元の装甲と干渉して下を向けそうにありません

当初の予定構造と干渉位置

そこで胴体との接続軸をポリ軸にして首の前端に寄せてみました。

すると下を向く際の頭部の動きが首元の装甲から離れる方向に動くので干渉を回避することができました。

決定した可動軸位置

この内容をもとにプラ板で部品を作っていきました。

首元の装甲や頭部がまだないので効果は確認できていませんが、絵で確認できているので概ね問題ないとの見込みで進めています。

胴体側の首可動軸を前方に寄せたもの

腹部可動軸

腹部についても当初はHGUCのキットを参考にボールジョイントで接続する予定でした。

当初の予定構造

ただボールジョイントだと稼働させる際にまず「引き出して可動する空間を確保」する必要がありました。この動きは個人的に好みでないため、腹部も可動軸を端に寄せてみることにしました。

端に寄せる場合常に逆には曲がらないというデメリットが付きまといますので、腹部のように左右に動かしたいときは右に曲げる軸、左に曲げる軸の2つの軸が必要になります。それを腹部の割れ目付近に設定することで左右に曲げることができそうだと見えてきました。

決定した可動軸位置

また腹部の可動軸を端に寄せることで胸部に固定する前提だったコクピットハッチの動きが大きくなり、干渉を避けるには下腹部を大きく切り欠く必要がありました。

それを避けるためにコクピットハッチを下腹部に軸接続し、上腹部に設置した軸で腹部の左右の動きを制限しつつ、腹部左右の動きに合わせて可動時に左右に連動するようにしました。

腹部の左右の動きにコクピットハッチが連動

これらの軸設定を盛り込んで、腹部~胸部の基本構成ができました。

さいごに

軸設定して関節部から作成するのは大変ですが、完成して、それが思い通りに動いたときは本当にうれしいです。紹介した範囲では可動軸を設定して実際に作ってみる、というところまでで思い通り動いたかどうかの確認はこれからとなりますが、確認できると気が楽しみです。

今回はイラストで可動のイメージを確認して作成を始めましたが、端に寄せる、というだけでも効果はあるので皆さんも機会があればぜひチャレンジしてみてください。

ではっ!!

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