こんにちは、MIBです。
関節を自作するときって関節軸位置が重要と思いつつも、なんとなく既存キットをもとにした位置に設定しがちだと思います。既存キットをもとにするとある程度仕上りが想像できますし、構造が参考にできるので作業も早いです。しかし作りたいものの特性に合わせて、ここぞというところはこだわった軸位置を設定するのも面白いかと思います。
今回はデスフィズの肩関節を例に、ちょっと変わった関節軸位置にしてみたいと思うに至った理由と軸位置の割り出し方法ついて説明したいと思います。
デスフィズ肩関節が既存キット位置だといまいちだった理由
既存キットは肩関節ブロックのど真ん中に関節軸位置があることが多いです。ズゴックなど特殊な機体を除いて、HGUCだと大半がこういう設定なんじゃないかと思います。
ただこの位置だと腕を広げた時に上腕がほとんど肩装甲に隠れることになって、腕が短く見えてしまいます。デスフィズは近接格闘戦特化タイプなので腕を大きく動かして飾ることも考えて、ここは何とかしておきたいと思いました。
納得できる軸位置の割り出し方法
ではどうやって軸位置を割り出すか、という点については以下の順で進めればスムーズに進みました。
- 動く前の位置を図面に書いておく
- 理想とする動かした後の位置を図面に書き入れる
- 1.と2.をもとに回転の軸位置を割り出す
- 3.が現実的な位置になるまで繰り返す
ポイントは2で、「軸をどこにしよう」と考えるのではなくまずほしい結果を用意してしまって、それに合わせた軸位置を割り出してそれが現実的かどうかを考える、という流れです。この流れを書き出してみると、関節ブロックの”中心”に軸位置が設定されることって極めて低確率で、動きを重視したいなら関節軸位置をオフセットするのが有効だということが身に染みてわかるようになりました。
具体的に図で説明します。
また4.の現実的な位置になるまで繰り返す、というのもポイントで、理想の位置がちょっとズレるだけで軸位置は突拍子もないところになっていることもあるので、理想の位置も調整しながら(ここであっても理想だな、という程度の調整)何回か繰り返し作業は必要になります。
肩関節ブロックの製作
割り出した軸位置を生かして、肩関節ブロックを製作しました。
回転軸を持つブロックは円形形状を作ることが多いですが、完全に円ではない場合は欲しい径のプラパイプを接着しておいて、それに沿って削るときれいな円ができます。
製作途中ですが可動確認をしてみました。
わきの部分の空間が少し気になりますが、おおむね狙った動きができていることがわかります。
とはいってもこの動きは「こうなるように作ったのでこう動いて当たり前」程度の確認で、軸位置オフセットの実際の効果がわかるのは肩装甲を作ってからとなります。
あとはもう少しプラ板を貼り足して成形して、肩関節ブロックの完成です。オフセットさせた軸受けが特異な雰囲気を持っています。
まとめ
今回はデスフィズの肩関節を例に、関節軸位置をオフセットするに至った考えと軸位置の割り出し方について説明しました。こんなこと当然として作業されている方も多いかもしれませんが、私個人としては理想とする曲げ位置を先に決めてしまって軸位置を割り出すという作業は、逆から考えるみたいで結構新鮮な思いをもって作業ができました。
関節工作は地味で労力もかかりますが、狙い通りの動きが再現できた時は苦労が報われた気がします。
是非皆さんもやってみてください。
ではっ!
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