こどもがいて占有の作業場がない場合の全塗装は、アクリジョン+ポータブルエアブラシがおすすめという話

試行錯誤

みなさんは模型の全塗装はやりますか?

全塗装するにはスプレーやエアブラシなどいろいろな方法があります。また、エアブラシを使う場合は使用する塗料についても選択肢が多岐にわたります。

そんな中、こどもがいて占有の作業場がない方が全塗装をする場合にはアクリジョン+ポータブルエアブラシを使った塗装がとても快適だったので紹介したいと思います。



おすすめの理由

いきなりですが最大のおすすめ理由は以下の通りです。

  • においが少ない
  • 準備や片付けがかんたん

アクリジョンは本当ににおいが少なく、また有機溶剤がほとんど使われていないとのことなので全く気兼ねなく使用することができます。ただしにおいはしないといっても塗料が舞うことになるので換気は必要です。

またポータブルエアブラシはコンセントやホースの接続の必要がなく、塗装のための準備・片付けがあっという間にできます。

それぞれ詳しく見ていきます。

アクリジョンについて

アクリジョンはGSIクレオスさんが展開する塗料のシリーズで、乾燥時間・塗膜強度・有機溶剤のにおいという塗料の問題点の解決を図った画期的な塗料です。使ったうえで感じたメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • においが少ない
  • 塗膜が強い
  • 色数が多く調色もやりやすい

デメリット

  • 再溶解しない
  • エアブラシが詰まる
  • 専用ツールクリーナーは比較的においが強い

私はこれまでエアブラシでラッカー系塗料を使って塗装してきました。それほど多くの完成品を作ったわけではないですが、それなりに塗装に対する慣れも出てきていました。

ただし、今現在模型作業で占有できる作業場がなく、さらに小さいこどもがいる環境なのでラッカー塗料のにおいがどうしても気になり、塗装できる状況ではないと感じていました。

そんな時ガレージキット(ファントム)を購入し製作している流れで、実際にやるかどうかはわからないもののガレキの塗装の下地処理について調べていました。ガレキは下地処理しないと塗装がはがれやすい、下地処理にはプライマー入りのサーフェイサーがある、など一通り調べていた中で、アクリジョンは塗膜が強く下地処理不要でレジンに食いつく、という情報を目にしました。アクリジョンの存在自体は模型誌を通して知っていましたが、レジンに対して下地処理不要という情報は知らず、非常に魅力的に感じました。さらに有機溶剤の使用を極力抑えた超低臭の塗料ということで、一気に興味がわいてきました。

においが少ない塗料としてはほかにも候補はありますが、レジンに対して下地処理不要なまで塗膜が強いという点は、アクリジョンの大きな魅力だと感じました。

ポータブルエアブラシについて

ポータブルエアブラシは2019年頃から出始めた、充電式エアポンプを使ったエアブラシシステムです。それまで小型のコンプレッサーは存在しましたが、ハンドピーズにエアポンプを直結するというスタイルが斬新で、発売当初からすごく興味がありました。実際に購入して感じたメリット・デメリットは以下の通りです。

メリット

  • コンパクト
  • 安価

デメリット

  • 充電式のため作業時間に制約がある
  • 取り回しが悪い
  • 細かな圧調整ができない

私の現在の作業環境は作業後都度机を片付けるようにしています。そのように模型で占有できる作業場がない環境においては、準備・片付けの手間は少ないに越したことはありません。ポータブルエアブラシなら工具感覚で持ち運び、使用ができるため大きな魅力でした。

それぞれのデメリットの解消

アクリジョンのデメリットの解消

再溶解しない→濾過する

再溶解しないことで、エアブラシに入れる際に古い塗料の塊が紛れ込み、エアブラシを詰まらせることがあります。そのため塗料をカップにそそぐときに濾過するとよいです。お茶パックを100均で購入して、半分に切って使っています。

お茶パックをかぶせた上から塗料を注ぐ

エアブラシが詰まる→待機中はノズルを水につけておく

エアブラシが詰まるのは最初の再溶解しないことも原因にありますが、塗料を塗布せず待機させている間にノズル先端で固まってしまうことも原因にあります。そのため先端を水につけて、乾燥を防止すればつまりは激減します。

それでもたまに乾燥させてしまうことがありますが、その際は水を含ませた筆でノズル付近をぬぐってやれば復活します。

水性であるアクリジョンならではの荒業です。

専用ツールクリーナーは比較的においがつよい→アルコールで洗浄する

アクリジョンはにおいは全くと言っていいほど感じないのですが、専用のツールクリーナーは結構においます。ラッカー系塗料と比較すると断然ましですが、塗料自体がほぼ無臭なのでちょっともったいないです。※薄め液はそこまでにおいはしません

においを極力出さないように、でもエアブラシ後の掃除はやりたい。

その思いを実現できた方法が、大まかには水で行い、最終的にアルコールで行う、というものでした。残った塗料の完全乾燥前である必要はあるとは思いますが(完全乾燥後で試してはないです)、これでかなり無臭環境でのエアブラシ塗装ができます。

アルコールは薬局で購入できる無水エタノールを使いました。

ポータブルエアブラシのデメリットの解消

充電式のため作業時間に制約がある→割り切る

作業時間は1時間程度ですが、私の平日の作業時間的にその程度あれば充分であると考えました。

仕事から帰宅後、確保した模型時間の中で機材準備→塗料準備→塗装→片付けを行うため、塗装自体は1時間あれば十分でした。

デメリットの解消になっていませんが、今は予備バッテリーが付属したモデルも発売されているので、それを使ってみる、というのが一番の解消法かもしれません。(私も購入はしてしまいましたがまだ使っていません)

購入したものの使っていないエアポンプと予備バッテリー

取り回しが悪い

慣れるしかないです。慣れれば特に問題なく使えます。

細かな圧調整ができない

こちらも慣れるしかないです。

この2項目も、まったく解消できていませんが、人間不思議なものでしばらく使っていると勝手がわかってきて、道具に合わせた使い方ができるようになってきました。

圧調整ができないことで、私はまだ繊細なグラデーション塗装はできていませんが、慣れていきたいと思っています。

まとめ

アクリジョンとポータブルエアブラシを使ってみて、こどもがいて模型占有の作業場がない人こそこの組み合わせに取り組んでみていただきたいと思いました。

扱いや色数においてはラッカー系が有利、繊細な塗装には通常のコンプレッサー+ハンドピースが有利なのはもちろんなのですが、においが少ない、準備片付けに時間がかからないという点は別のベクトルでのメリットだと思いました。

私はこれからもこの組み合わせで取り組んでいきたいと思います。

アクリジョン+ポータブルエアブラシでベースグレーを塗った
レジンキット ファントム

ではっ!

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