こんにちは、MIBです!
現在製作中のクロスボーンガンダムX11 ファータモガーナフルクロスですが、前回肩のドクロ部分の外形をバキュームフォームで製作しフルクロス部分が大まかに形になりました。
今回はドクロの目の部分を仕上げていきたいと思います。
形状の確認と作り方の検討
ドクロの目の部分、できるだけ大きい方がパンチが効いていると思いΦ6のマルイチモールドを入れ込むことを前提に形を決めていきました。
マルイチモールドを収める凹みを作る必要がありますが、凹み形状は6角形にしてある程度の幾何学的な雰囲気を持たせつつ、左右共通で作れる形を目指しました。

凹み自体はくり抜いて裏からプラ板を貼るという手法が簡単で良いのですが、同じ形状に切り抜けるかという技術的な不安と、凹みの深さが足りなくてメリハリにかけるのではないかという思いから、ヒートプレスで深めに絞ったプラ板を埋め込む方法で作ることにしました。
ヒートプレスの準備と成形
ヒートプレスの原型製作
原型はプラ板とエポキシパテ板です。
私はすべてプラ板の方が作りやすいのですが、ヒートプレスで熱がかかる部分はエッジが熱をもって変形してしまうことを恐れて、熱に強いエポキシパテで作りました。
あとは厚みを稼ぐために厚めのプラ板を貼り付けて削り出しました。
六角形の切り出しは定規と鉛筆では作図が難しいので、Powerpointを使って形状を作っています。

ヒートプレスの枠の製作
今回のヒートプレスはなだらかな曲面の再現ではなく、びしっとした鋭角の内エッジを出したいというものです。
そのため成り行きで型にあてつけるだけではうまくいかないことは目に見えていました。
前回製作したバキュームフォーマ―を使ってもよいのですが、今回は形が単純なため枠を製作してのヒートプレスとしました。
この方法は型に合わせた大きさのプラ板で対応できるので、消費量の点でこの方が有利です。
枠は原型の外形をオフセットした形状で作成しますが、オフセットの量は次の図のイメージから大体で割り出します。

計算すれば数値的に求められそうな気もしますが、そこまで精密にやっても結局枠作成が手作業なので、プラ板が伸びるイメージのみを頼りに作りました。
枠の材料は100均で購入した木製スティックで、これをアメイジングカッターでカットして瞬間接着剤で固定して作りました。
木製スティック+アメイジングカッターで作ることができるようになってから、熱加工の際の枠製作の難易度が下がった気がします。


位置決め治具の製作
原型と枠の間の隙間があまりないため狙いをつけてヒートプレスしないとプラ板が均一に伸びないのではないかと考えて、安定して位置が決まる治具を作りました。
厚手のプラ板を土台として、2箇所に壁を立てて木製スティックで位置が決まる方式としています。
当初上側にも壁を立てていたのですが、クリアランス設定がシビアすぎてとってしまいました。
そのため回転方向には多少動いてしまいますが、そこは気を付ければ大きくずれません。

原型配置とヒートプレス
原型は高さをかさ上げして両面テープで土台に固定しました。

プラ板をアイロンで熱して、枠でピックアップして位置決め治具にセットして押し切ると、一気にヒートプレスが完了します。
アイロンで熱する方法はこちらを参照ください。

4枚必要なので連続して4回やりましたが、裏面を確認すると原型のエッジがピシっと出ていて、非常に安定していい感じにプレスできました。

ドクロの目の仕上げ
作った部品でドクロを仕上げていきます。
目の部分をくり抜き、ヒートプレス部品を接着します。
この時裏側に出っ張る部分を見ながら、できるだけ左右同じ条件になるように向き・角度を調整しながら接着しました。
またどうしても隙間が生まれるので、瞬間接着剤で埋めます。
乾燥後に表面を整えると目の凹みができました。

目のマルイチモールドは市販品にいいものがなかったため自作します。
1.5mmプラ板にΦ3のプラ棒を垂直に接着し、表面を整えた後隙間ができるように1mmプラ板を接着します。
十分乾燥したらリューター旋盤で切削して仕上げました。
リューター旋盤の詳細はこちらをご確認ください。

これまで作った部品を組み合わせると以下のようになりました。

目の周りの凹みの隙間が気になる気もしますが、インパクトのある形に仕上がったと思います。
HGUCフルクロスのキットの型ドクロと比較すると2周りくらい大きいです。

本体に仮固定してみると以下のようになりました。
大きなドクロがなじむか不安でしたが、全体的にボリューム感のあるフルクロスになっていたため、こじんまりとまとめずに逆に良かったと感じています。

さいごに
今回はアイロンヒートプレスに対して型を使って局所的に絞る方法の説明でした。
いろいろ心配して準備したため、ヒートプレス自体はとても安定して行うことができました。
枠の材料自体は入手は容易だしアイロンを使える環境なら十分再現できると思うので、皆さんも使いどころがあればぜひやってみてください。
ではっ!!
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